強いゴルファーになりたい、自分のスイングを確立したいゴルファーはこのDVDで決定!日本在住のUSGTF(全米ゴルフティーチング連盟)所属マスターコーチが日本語で解説したスイング理論成功するゴルフシリーズ 。2つのプレーンスイングを使い分けられるコーチは国内にはまだ二人しかいません。


吉川です。


 打球の初速度を上げる要素の3つ目は「スマッシュファクター」です。日本ではミート率という呼び方で通っています。ミート率を上げるというと、いかにクラブのスイートエリア中心の近くでボールを打つかというイメージですが、スマッシュファクターは、インパクト直前のクラブヘッドスピードの何倍の初速度でボールが飛び出すか、を表しています。必ずしもボールは芯を食っていなくてもスマッシュファクターが大きくなることがあります。

 インパクト前後でのクラブヘッドスピードとボールの初速度との関係は、力学的に衝突時の運動量保存の法則として解かれていて、最終的に添付図のように説明されます。ここでMはクラブヘッドの質量、mはボールの質量、Vはヘッドスピード、vはボールのスピード、eは反発係数、添字1はインパクト前、2はインパクト後です。M、mはほぼ決まった値ですからv2を大きく(ボール初速度を早く)するためにはe(反発係数)を大きくすればいいことになります。eが大きければ大きいほどボールの初速度は大きく(対ヘッドスピード比)なるので、クラブヘッドとボールに反発係数の規制(ヘッドにはSLEルール)が設けられています。

 反発係数はボールの変形と大きく係っていて、ボールの変形が小さければ小さいほど反発係数は大きくなります。球技で使っている球で最も反発係数が大きいものは、ビリヤードで使用される象牙のボールで殆ど変形しません。また、ヘッドスピードが大きいとボールは大きく変形しヘッドスピードが小さいとボールはあまり変形しません。つまり、ショートゲームではヘッドスピードに対してボール初速度が大きくなり、ボールは打った感じより飛んでしまうのです。クラブメーカーはショートアイアンのロフトをより大きくすることで、この"違和感"を補正しています。

 ここで前回の力積の説明を思い出してください。飛距離を上げるためにはボールをつぶしてクラブフェースと接触している時間を長くする必要がありました。しかし、硬い変形しないボール(球離れが早いボール)の方がよく飛ぶわけですから、飛距離を大きくするということは、この矛盾した2つの要素の最適な回答を見つけることに挑戦するわけなのです。飛距離アップがそれほど簡単ではないことが分かっていただけたでしょうか。

 飛距離をアップするための要素はもちろんスイングが大きな部分を占めます。しかし、スイングとともに重要な要素がいくつかあります。それらを列挙すると、シャフト特性、クラブヘッド性能、ボール性能ということになります。基本のしっかりしたスイングを身につけスイング特性に合ったクラブを手にする、ということが、飛距離アップという問題の回答の一つであることは間違いありません。

 では次回からスイングの基本に戻りましょう。